同人サークルでエロRPG制作にRPGツクールを採用する場合、
RPGツクールは最新作のほうが良いのでしょうか?
決してそのようなことはありません。
セールで価格が安くなる可能性や、情報量の多さ、
同人特有の背景から必ずしも全員の買うべきRPGツクールが
最新作とは限らないのです。
しかし、現状買うべきRPGツクールは概ね3種類に
絞ることができるのも事実です。
このページでは、RPGツクールシリーズでエロRPG制作を
行う人がどのツクールを購入するべきか紹介します。
*2025年10月の状況を踏まえ、大幅に更新しました。
国内クリエイターに一番のオススメは地味効率化が多彩なRPGツクールMZ
2025年10月現在、一番オススメするのはセール時に購入する「RPGツクールMZ」です。
大幅なパワーアップを遂げた、後述のRPGツクールMVをベースに、細かい改善が行われた純粋なRPGツクールシリーズ。セールでは45%OFF近い値段になりますが、定価の価格も8000円ほどと同人作品販売予定者であれば数本での売上でソフト代金が回収できる可能性のある価格帯であることも注目です。
ツクールシリーズ初の前作MVからデータをコンバートできる機能、ゲージが貯まると行動できるTPB戦闘、この他にも標準でフォント設定ができる、戦闘アニメでリアリティある3Dパーティクルエフェクト導入可能など。手軽により従来のツクール臭を減らしやすくなっています。
さらに、発売直後は素材数の少なさや独自機能の少なさが指摘されがちでしたが、国内では流通が進み、プラグイン(拡張機能)も2000種類以上。国内クリエイターのプラグイン作者も移行が進み、現在ではMZのみ対応している素材も多くなってきました。
また、バージョンアップにより追加された、素材データを素材内に作成したフォルダに入れて使える「子フォルダ対応」、イラストの表示位置を直感的に決められる「ピクチャの簡単設定」、長い仕組みの検証に役立つ「スキップ機能」など、イラスト素材や長い描写を構築しがちのエロRPGにとって非常に便利な機能も搭載。標準機能でも大文字を小文字に変換する機能や、マップの装飾がしやすい「レイヤー機能」、設定ミスを防ぎやすくなったプラグインコマンドなど、制作の効率化やミスによるストレス防止に役立つ仕組みも多く搭載されています。余談ですが、
現状のツクールシリーズであれば、初心者~上級者まで幅広い層におすすめができます。お金が出せるのであれば、1番の選択肢として入ってくるツクールです。著者はRPGツクールMZを使って短期間(一ヶ月)で同人RPG制作したことがありますが、ありがたいことに1000DL以上していただくことができました。こういった事ができるのも、作りやすいRPGツクールならではの進化が詰まったMZならではのおかげだと考えています。
ゲーム制作をとりあえず試したいなら「RPGツクールMV」がオススメ。再利用もしやすい
次におすすめするRPGツクールはセール時に購入するRPGツクールMVです。

2015年に発売されはRPGツクールMVはツクールシリーズ初めてのマルチプラットフォーム対応、ダウンロードしてプレイすることを前提とした出力に加え、ウェブブラウザ上で遊べるような形式の出力も可能になりました。

ウェブ上で遊ぶことができる出力可能という進化を遂げたことにより、多くの人が手に取り、新しいファン層も獲得しました。エロ面ではより大きい画面サイズでの提供ができるほか、タッチ操作も標準搭載なので片手で遊べるようなゲームも可能。また、HBOX.JPさんのように、スマホ移植したものを配信できるようなサービスもあります。

HBOXさんのウェブ版Androidスマホで遊んだ場合の画像。ウェブ版ならiOSでも遊べます
また、発売からの時間経過でセール時に1500円以下のお手頃価格でお値段に買えます。
逆に言えば、定価で買うのはNGです。定価であれば後継機のMZのほうがおすすめ。
Steamやツクール公式ストアで大型連休や年末年始、季節のセール時に大幅値引き。間隔的には1~3ヶ月位内にセールが来るので、公式アカウントのXなどをフォローして待つのがおすすめです。
ただし、RPGツクールMVは実質開発が止まっているのか、細かいバグなどが残ってしまったり、制作・遊びやすさの安定性ではMZの方が上回ります。あくまでコスパ重視、ゲーム制作がとりあえず試してみたい、試しに同人RPG制作に挑戦したいという方にオススメ。
特に後継機のMZと素材規格が一緒の素材が多く、MVの方がマップなど汎用性の高い素材が多いです。MVで制作を試して気に入ったら、MZも購入してMVを素材集として活用する方法もおすすめです。
RPGツクールMVのポイントまとめ
- DL向け・プラウザ向け出力可能で色んな販売に対応可能
- 国内外の情報が圧倒的に多く、拡張や問題解決楽ちん
- 大幅割引されるセール時の購入推奨
Tips 「RPGツクールMV trinity」や「RPG Maker WITH」はPC向けでないのでNG
CS向けに発売された「RPGツクールMVtrinity」や「RPG Maker WITH」は別のツールになります。
家庭用ゲーム機向けに発売されたソフトになり、PC向けに出力ができません。この他、RPGツクールフェスなど、SwitchやPS5など家庭用ゲーム機向けに発売されたRPGツクールシリーズは誤って購入しないように気をつけましょう。
なお、家庭用ゲーム機向けについては、18禁などの投稿は規約で禁止されており、投稿しても削除される可能性が高いです。
【お知らせとお願い】
いつもRPG MAKER WITHをお楽しみくださり、ありがとうございます。「みんなの作品」で第三者の権利を侵害する可能性のあるコンテンツ(他社ゲームのマップ、名称などを模倣したものなど)が確認されております。
「みんなの作品」の利用開始時にご同意頂いている利用規約… pic.twitter.com/xLvmJFPZlC
— RPG MAKER WITH (@RPGMakerWith) January 9, 2025
RPGツクールMZのポイントまとめ
- 2020年時点、定価価格で買うならコレ
- 手軽にATB系戦闘やパーティクル演出が取り入れられる
- ツクールデフォルトのシステムだけで作るなら優秀
価格安いRPGツクールVX Aceはサポート終了に注意
最後におすすめするのがRPGツクールVX Aceです。
ダウンロードして遊ぶ形式のみの出力となり、かつ解像度は低めですが、
それゆえ動作が軽いことで定評があります。
【#RPGツクール シリーズお知らせ】2021年1月4日(月)をもって、一部商品の技術的なサポートを終了いたします。なお、ユーザー登録やプロダクトキーの再発行、オフライン認証などについては引き続き対応いたします。詳細はリンク先をご覧ください。 https://t.co/kKp0Y8QQyF
— ツクール開発部 (@tkool_dev) August 20, 2020
同人RPG制作ツールとしても人気の高いツールでしたが、2021年1月4日にサポート終了が発表されています。
また、発売から年月が経過しているため、ゲームを拡張するための素材のサポートが終了しているサイトさんも多々あります。
問題が起きたときに自力で解決できる人におすすめかと思います。
また、過去に無料配布されたこともあるので、今後も無料配布などされるおそれがあります。覚悟を持って購入しましょう。
RPGツクールVX Aceのポイントまとめ
- DL版専門、解像度は低めだが動作軽い
- 2021年年始に公式サポート終了
- 時期経過で素材などの配布サイトのサポート終了も多い
Unityに興味があるのであれば選択肢に入る「RPG Maker Unite」
RPGが制作できるツクールシリーズとして「RPG Maker Unite」も登場しています。
同ツールはUnity上で動くアセット(Unityの拡張機能のようなもの)で作られています。標準で作れるものはMZやMVと同等ですが、解像度の高いゲームやUnityの機能を通じて多彩な出力を見込むことができます。
一方で、あまり流通しなかった関係で国内の情報は上級者向けの情報が僅かにあるのみ。Unityのアセットゆえに独自の改変や他のアセット活用次第で化けますが、Unityを使うのであればわざわざUniteをベースに拡張をしなくてもいいですし、そもそもエロRPGであれば独自性よりもエロの方向に力を入れるほうが安牌なので、かなりおすすめできる方は限られるのではないかと感じます。
特化したツールとしてはAction Game MakerやアクションゲームツクールMV
ここまでRPGを作る場合の現状選択肢としての4種類を紹介しました。
ただ、アクション性の高いゲームを作るのであれば、
アクションゲームツクールMVや後継機の「Action Game Maker」も選択肢に入ります。
いわゆる横スクロールや見下ろし型のアクションゲーム制作に特化した制作ツールになります。
ツクールと比較すると素材などが少なかったり、所見ではとっつきにくいUIなので、各情報をみながら試行錯誤する方、自作素材を導入予定の方向けなツールです。
アクションゲーム制作に特化したツールとしては非常に可能性を秘めているツールでもあるため、アクションゲームを作りたい方はこちらも確認しましょう。
RPGツクールの選び方まとめ
- ツクールMZが汎用的にオススメ、エロRPG効率に役立つ強化も多い
- 価格重視ならツクールMVもあり、素材としての活用も可能
- DL限定安定感で人気のVX Aceはサポート終了周りに注意
- RPG Maker UniteはUnity勉強もかねてならばありだが基本エロRPGなら非推奨
- アクション系であればアクションゲームツクールMVやAction Game Makerも検討
セール待ちはせずに体感版の活用もしよう
ここまで、RPGツクールを紹介するにあたり、セール期間のお話も載せてきました。主に1~3ヶ月で値引き、以下のサイトをみておくといいでしょう。
- DLsite(MZやアクツク)
- Steam(旧機種から新作まで多数)
- ツクールストア(KOMODO Plaza)(旧機種から新作まで多数)
- RPG Maker Official Store(新作中心に多数)
- Humble Bundle(稀に期間限定でお得なツクールのバンドル-セット販売-が出る)
特にDLsiteとSteam、KOMODO Plazaがよく値引きします。それぞれ異なるタイミングで値引きされることも多いので、欲しいと思ったらこのサイトは必ずチェックするといいでしょう。
また、セールをどこでもやっていなかった場合は、ただ待つのではなく「体験版」も活用しましょう。
MZやMVは公式サイトの体験版を導入することで、30日間すべての機能が使えます。制作データは製品版でも使えるので、30日間体験版を使いながら制作を進めることが可能です。
Tips RPGツクールの損益分岐点を考える
DLsiteさんで作品を販売した場合は、手数料が引かれ、卸値が収益となるなります。卸値はサークル規約から確認可能です。
販売価格が高くなるほど、手数料割合低くなりなります。700円、1300円、1900円あたりが現実的な手数料変化ラインとなります。
では、何DLされれば損益分岐点となるのでしょうか。
■ RPGツクールMZの定価8,778円になる本数
100円(卸値50円)→176本
600円(卸値300円)→30本
700円(卸値400円)→22本
1300円(卸値900円)→10本
1900円(卸値1400円)→7本
*2023年1月時点の卸値になります。必ず最新情報もご確認下さい
売上が一定以上の場合は税金なども考慮しなければいけませんが、自身でイラスト制作などもできる方であれば、500円以上の値付けならば初作品でも現実的な損益分岐点になるかと思います。

