霧の遺跡と一人の剣士はなぜか国から処刑を命じられてしまった国の英雄・サクラと出会った主人公が、力を失ってしまったサクラとともに力を回復しながら彼女を狙う国の襲撃を退けていく育成型RPGです。
1日1行動のターン形式で進む要素と、簡易的な命令で自動行動のヒロインと支援の自分をうまく活用して戦う要素はシミュレーション色合いも強く、更にエッチシーンは洗脳や性的開発といった要素が満載です。独創的なRPGとして魅力の高い作品ですが、ややぶれ幅の多さや単調さを感じる面もあります。
プレイ時間1時間ほどで1度詰んでしまいつつ、再度挑戦して3時間ほどでクリアしました。合計プレイ字間4時間ほどで遊んだ体験を元に、購入検討者向けにゲームの内容やプレイ感想をまとめていきます。なお、本レビューはVer1.01をベースにしています。
「霧の遺跡と一人の剣士」の作品概要
「霧の遺跡と一人の剣士」は遺跡の管理をしている主人公の元に、サクラを捉えた軍の一行がやってきたところから物語が始まります。
サクラを処刑するために遺跡へと入りましたが、サクラの力を恐れた軍によって主人公はサクラとともに遺跡の一室に閉じ込められてしまいます。交流しながら一夜を過ごした二人ですが、突如遺跡に魔物が湧き始めます。なんとかサクラの力を失うことと引き換えに遺跡を脱出します。
しかし、サクラを処刑しようとする軍は暗殺部隊を送り込みます。力を失ったサクラを成長させながら、主人公とサクラは立ち向かってくる敵を倒しつつ、遺跡から出た魔物の討伐も目指します。
「霧の遺跡と一人の剣士」のシステム
「霧の遺跡と一人の剣士」はヒロインを育てる育成的な要素と、命令をうまく活用する自動戦闘が搭載されており、シミュレーションよりの要素も強い作品です。
オートで動くヒロインへの必殺指示&弓技
今作の戦闘はヒロインと主人公の二人。
シミュレーションゲームのように、ヒロインと敵が盤面の戦闘フィールド上に登場。ヒロインは敵に隣接すると攻撃し、敵は射程内にヒロインが入ると行動します。
ヒロインの動きは、オートです。ヒロインは敵の選択順に敵キャラをターゲットにして移動していきます。プレイヤーができるのは、「必殺技指示」と「薬草回復」と「弓攻撃」です。
ヒロインは途中、必殺技を覚えることができるようになります。通常必殺技は使用せずに通常攻撃を仕掛けて行動しますが、MPを消費することで高火力の技や射程のある技を使用できるようになります。プレイヤーが必殺技を指示すると次のヒロイン行動時に必殺技を使用します。必殺技の対象を選べるわけでもないので、状況に応じて適切に必殺技を指示する必要があります。
最初からできるのが「薬草回復」です。プレイヤーは薬草を使用してヒロインのHPを場外から回復できます。この回復もヒロインのHPが30%・50%・70%になったら発動するように予め主人公に指示をしておくことで、主人公が指示に従って回復行動をとってくれます。
さらに、主人公は条件を満たすと、弓を扱えるようになります。主人公の弓攻撃は、ヒロイン同様に敵の選択順に狙っていくか、指定した敵を狙うかを決められます。
これらの指示は常時変更可能です。戦闘ではヒロインが敗北すると負けです。プレイヤーは基本オートで戦っていくヒロイン&主人公に対して、この3つの指示を活用してヒロインが倒れないように敵を討伐していく必要があります。
訓練&施設開発による育成要素
戦闘パートではヒロインが敗北してしまうと負けなので、指示以外にも適切に能力をあげていくのが重要です。そこで重要なのが訓練と施設開発です。
プレイヤーは毎日行動を選ぶことができ、イベント戦闘が行われる日程以外は自由に行動できます。討伐や敵が出てくるサブイベントを選ぶと戦闘ステージに切り替わり、実際の戦闘が行われます。戦闘を行うことで、経験値や装備ドロップがあります。能力強化に繋がることもありますが、敵に勝てないと意味がありません。
そこで役立つのが訓練と施設開発です。訓練は素振り・走りこみ・精神統一を選ぶことができ、選んだ項目によって能力値が上昇します。施設開発はお金を使って、訓練のレベルも上げることができます。お金を使って施設レベルを上げれば、効果量が上昇しますが、お金を得るには討伐や敵が出てくるサブイベントを選び、アイテムを入手して換金していく必要があります。
最初は確実に能力値が上がる訓練、ある程度強くなったら戦闘に挑んで施設を強化し、能力を効率的にあげてさらに高難易度な戦闘へ向かう。この方針を基軸に、先に能力を上げて安全に戦闘へ進むか、多少リスクを取ってでも戦闘でお金を稼ぎ施設を強化してからじっくり育成するか。選択が求められます。
男が絡む訓練やエッチなイベントシナリオで堕ちるヒロイン
物語が進むと、訓練コマンドに指導者が付く訓練と、知り合いたちに関連するイベント項目が追加されます。
これらの項目を選ぶと、ヒロインやサブヒロインが他の男性に狙われることに繋がる場合があります。どんどんと堕ちていくヒロインの姿を楽しむことができます。最初からヒロインを狙いそうな怪しいキャラから、協力的に見える知り合いまで、色々な男性がヒロインを狙うことになるので、様々な展開を楽しむことができます。
「霧の遺跡と一人の剣士」の長所と短所に感じたところ
「霧の遺跡と一人の剣士」はシミュレーション色合いの強い戦闘と育成システムが魅力的です。しかし、このシステムにも長所短所があります。エッチ面での長所と一緒に見ていきましょう。
段階的に堕ちていくクールヒロイン
ヒロインはクールな感じの主人公。無知な感じもあるヒロインですが、そのメインヒロインを中心に様々なエッチシーンが展開されていくことが魅力的です。
特に、各シーン段階的に堕ちていきます。回想ベース的には5以上ありますが、ストーリー的なものも含んだ回想登録数です。それでも3~4シーンぐらいは一つのシーンにあるので、しっかりと変化していく様子を楽しんでいくことができます。
一発で淫らになっていうくよりかは、何度か段階を踏んで堕ちていくヒロインの色々なシーンを楽しみたい方にオススメよりの作品です。
シミュレーション感のある選択が楽しい
育成を選ぶか、出撃してアイテムやお金を得るか。
戦闘も自動で動くヒロインを意識しながらどう命令していくか。
指定日程に必ずイベントが起き、そのイベントを乗り越えないとゲームオーバーになってしまうため、計画的な育成も重要になります。
それゆえ、RPGの中でも、シミュレーション的な意識の強いRPGのように思えます。雑に行動していると、途中の日程を乗り越えられない場合もあるので、しっかりと計画的に練っていく必要もあります。
やや戦闘の幅の狭さは気になる
とても面白い戦闘システムな反面、敵の戦闘配置パターンが非常に少ないです。ヒロインもオート戦闘ですが、最初に選択できる敵を狙うという習性固定。主人公の攻撃もランダム性がほぼありません。アイテム回収目当ての討伐はどうしても作業感が出てしまいます。
反面、ある程度行動の固定化もできます。ある程度日々の行動をルーチンワークとしてこなしたいかどうかで評価は分かれる気がします。
「霧の遺跡と一人の剣士」の各視点からの評価
「霧の遺跡と一人の剣士」をゲーム性・エッチ面・コスパの3視点から、6段階(SS/S/A/B/C/D)で評価していきます。
「霧の遺跡と一人の剣士」のゲーム性
ゲームシステムについては非常に面白い作品です。
ただ、ややゲームバランスや幅の狭さが少し気になります。どうしても敵の配置パターンが少なく、ランダムと言いつつも固定化になりがちなヒロインの動きは、ランダム戦闘というよりかはどうしても詰将棋よりの作品に思えます。毎回、大技や射程のある敵は後回しにされがちで、どうしても主人公で対処しなければいけないという戦闘がとにかく多すぎる気もします。敵が違っても戦略は同じようなものになってしまっている印象があります。
戦闘を飛ばせるモードやイージーモードもあるので、これらを使ってやるのであれば問題ないと思いますが、本格的なSLGやSRPGとしてみると、物足りなさは出てしまうのではないかと思います。
とはいえ、個性的なシステムは非常に良かった印象もあります。個人的には普通に遊んでみて、マンネリ化を感じてきたらイージーモードに切り替えていくぐらいのスタンスで遊ぶのがオススメです。
「霧の遺跡と一人の剣士」のエッチ面
クールなヒロインが徐々に堕ちていくシチュエーションをたくさん堪能できます。ヒロインやサブヒロインを狙う男性の種類が多く、各男性に複数のシーンが用意されているのが魅力的。その背景のストーリーもある程度描いてくれているため、世界観に入りやすい印象があります。
シーンはやや短いのもありますが、ストーリー部分も含めると普通~長めなテキストになっている場面も多いです。クールなヒロインが男たちの毒牙にハマって堕ちていくシチュエーションが好きであれば、良いシーンに出会えたと思える可能性も高いと感じます。
「霧の遺跡と一人の剣士」のコストパフォーマンス
標準より気持ち低めよりな印象です。
本レビューの著者は、標準の難易度で1時間ぐらいで1度詰みやり直し、合計4時間ほどでクリアしました。プレイ時間としては中編クラスの作品ですが、作業感あるパートが多いのでプレイ時間ベースではコスパはそこまで高くない印象もあります。
一方で、エッチシーン自体はそこまで少ないわけでもなく、質自体も標準以上な印象があります。ゲームやエッチシーンのボリュームを重視する人であれば満足できないボリュームな印象もありますが、良い規模感でまとめていると思えば問題ない印象です。
「霧の遺跡と一人の剣士」の個人評価
8点
もう一歩深みがあれば、神作に化けるような印象のあった作品。
ゲームシステムは非常に面白さがありつつも、敵の種類や行動パターンが少なめ。ゆえに、ファーストインプレッション的には光る一方で、少し遊んでいくとパターン化になりがち。思ったよりも行動が決まりがちなのは残念でした。しかしこれもシステムが良かったからこそ、もう少し敵の種類や色々なステージ要素を見てみたかったからの裏返しでもあるような印象もあります。
エッチシーンについては、クオリティも比較的高め。どちらかというとエッチシーン回収のために進んでいかなければいけないという点は評価が分かれそうな印象です。
やや評価に迷いましたが、途中で手間のある作業感に感じてしまったポイントがあった点や、短めのエッチシーンもあったことから、ギリギリ良作よりの8点という評価としています。クールで無知よりなヒロイン自体のキャラは魅力的故に、感情表現がそこまで多くない女の子が男たちに狙われていく、シミュレーション要素のあるシステムが好きだという人であれば、前向きに検討しても良い作品かと思います!
「霧の遺跡と一人の剣士」のゲーム情報
制作ソフト:
ウディタ
原作:
オリジナル
難易度傾向:
ちょいムズ!
ボイスの有無:
ボイスなし
やり込みシステム:
- マルチエンディング
- 仲間育成
- エッチシーン回収