今回紹介するのは、細かいところまで作り込みが非常に丁寧なストーリー&エロ特化型の催眠エロRPG「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」です。
淫神ノーティアによって、人を操ることができる道具「操心具」というアイテムが各地にばら撒かれたことによって起きた事件に巻き込まれた三人組の冒険者たちが、王国の力も借りながら「操心具」の回収を目指す過程で事件や催眠に巻き込まれていくような物語展開が楽しめます。
負けてしまったら催眠……というだけではなく、時には催眠の支配下に堕ちた状態で抵抗していくような様子もあり。選択肢による敗北が多い作品となりますが、誤りの選択肢を選んでからも少し物語が進むことも多く、緊張感も楽しめる。さらに、敗北ルートが確定した後も、エッチシーンで終わりというわけではなく、催眠に堕ちた街や王国を楽しめるような探索も用意されています。
「女性の物品化」「受け取ると質問に答える名刺」など、フェチに刺さるような催眠も多め。一方で、「操心具」にはリスクがあったり、どうヒロインたちが催眠道具に抵抗していくかワクワクするようなストーリー展開も待ち受けています。
非常に細部まで作り込まれた作品です。
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」のシステム
操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~は3人パーティ製のRPGです。イベント戦闘中心となり、基本的には選択肢や探索によって物語を進めていきます。
「操心具」の事件を調査・抵抗していく探索メインのRPG
今作は「操心具」という強力な催眠効果を持つアイテムを探すため、街や施設を探索していくことがメインになります。
各章立てになっており、メインのストーリーが始まっていくと特定の街で探索が開始。フキダシがある人物たちに話しかけていくことで調査を進めていきます。
調査の合間にはヒロインたちの命運を決める選択肢が表示され、正しい選択肢を選ぶと「操心具」の事件解決へ。失敗の選択肢を選ぶと「操心具」によってヒロインたちが堕ちていくバッドエンドの世界へと堕ちていきます。
メインシーンはバッドエンドの世界も展開
今作の注目ポイントの一つが「バッドエンド」の世界もしっかりと描いているところです。例えば、光によるマインドコントロールが可能な「操心具」であれば、バッドエンディングになる選択をした直後にヒロインたちが犯されてしまうシーンがあった後、「操心具」によって町が全て男のものになり、街中の女性たちが男の支配下に置かれて淫らなことも普通に話しているような町中を探索できます。
選択肢によってバッドエンドかが決まる作品ですが、なかなか判断が難しい選択肢が多く、かつバッドエンドの選択肢を選んでもすぐにバッドエンドとわからないような良い展開に見えることもあります。緊張感を持ちながら進むことができ、バッドエンドを選んだとしてもしっかりと楽しめます。
3人パーティの基本は勝ち確定なイベント戦のみ
RPGですが、レベル上げやキャラ育成と言った要素はありません。
ところどころ戦闘がイベント中に入りますが、基本的には勝ち確定な戦闘です。最終戦のみ、回復さえ気を配れば基本勝てるぐらい味方たちが強いです。
戦闘はおまけよりですが、しっかりとメインヒロイン達3人は個性的な能力を所持しているため、いろいろな必殺技を使ったりする楽しみがあります。
充実した専門用語やアイテム、催眠を示すスキルや侵蝕状態
今作は専門用語を解説した図鑑機能、使うとキャラ同士の会話などが発生するアイテム、どんな催眠効果がヒロインたちのついているかスキル欄に表示される「操心侵蝕」、ヒロインたちの性的感度やオナニー頻度が確認できる「侵蝕状態」など、充実した小ネタ要素が多数あります。
充実した小ネタの更新頻度、内容の解説などが非常に作り込まれている印象があります。特にバッドエンドに進めば、卑猥な要素が反映されたり、エッチなアイテムが多数購入できたりと、眺めていくだけでも楽しめるような要素が多数用意されています。
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」の長所と短所に感じたところ
操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~の中で、魅力的に感じた点や人を選ぶと感じた点について紹介していきます。
長所1 しっかりとした流れがある物語
今作品はエロさのあるシナリオながらも、物語にしっかりと流れがあり、次の展開が楽しみに思えるほど物語がしっかりと描かれています。
最初は凄腕の冒険者たちが「操心具」の存在や効果を知らないところから始まり、警戒をしながら調査に進む。時には他国を巻き込んだり、支配下に置かれながらも敵の余裕を見せた動きや協力者のお陰でなんとか乗り越える。どうやれば解決していけるのか、どう行動していくのかをしっかりとキャラクターたちの会話で自然に描きながらも、ピンチや劣勢を描きながら解決していく様子はしっかりとした見応えがあります。
物語重視の方であれば、しっかりと楽しめると思いますし、物語の中に「催眠エロ」の要素も組み込まれているので、エロをとにかく楽しみたいという方でも比較的入りやすい物語性ではないかと感じます。
長所2 催眠バッドエンドの世界
バッドエンドに入った場合の世界観が非常によく作り込まれています。
例えば、モブに話しかけた場合、女性であれば淫らになっているような会話を話しかけてくれるし、善良な男性であれば「なんてこんなことに……」のような会話、悪質な男性であれば楽園のように女性を好き勝手にしているような会話。
アイテムショップも卑猥な道具が多数販売されており、まさに終わった世界、通常の世界ではなくなったような感じが魅力的です。
そんな世界を、まるで普通のように歩く主人公たちも、ザ・催眠という感じがしていてたまりません。バッドエンド後の世界を、ここまで細かいところまで作り込んでいる作品は早々ないと思います。
長所3 細かい変化や小ネタの多さ
とにかく場面によっての細かい変化が多く、図鑑やアイテムなどの小ネタも非常に多いです。
ストーリーのパートが変われば、村人たちとの会話が変わることが多め。アイテムはほとんど使わない形式の作品ながらも、お店では(性的でない)玩具や雑貨、本のようなアイテムがたくさん売られています。
他にも辞典による各種「操心具」の解説は丁寧に書かれており、ヒロインたちが催眠にかかる度に増えていく催眠状態を示すスキルも変化があり、エロステータスもルートによって細かく書かれていることが変化する。
本編のストーリー面はもちろんのところ、人によっては絶対に見ないようなところまで非常に丁寧に作り込んでいるような印象がありました。
純粋にエッチなイラストや文章だけを楽しむのではなく、世界観や物語の細かい点まで非常に楽しめる作品です。
短所1 メインの敗北回想がやや見づらい
基本的に短所はない作品ですので、しいてあげるならレベルですが、「敗北回想」の仕組みがやや見づらく感じる方もいるかも知れません。
というのも、メインストーリーで発生する回想はエッチシーンが始まる冒頭化ではなく、エッチシーンの始まるシーンの冒頭から始まることが多いからです。ゆえに、このエッチシーンが見たいという状態で回想を見ようと思うと、催眠がかかった要因や、催眠にかかった直後~エッチシーンまでを再度見なければいけないこともあります。
ただ、これは完全に悪いというわけではありません。催眠というシチュエーション上、どうしてこのような状態になっているのかを確認できる点は非常に重要だと思いますし、シーン自体もしっかりとしている作品ですのでそういったところも確認できるという点では長所にもなっています。セーブ枠も多いので、必要であれば好みのシーン直前でセーブするなども併用すると快適に回想もしやすいです。
短所2 強力な催眠が多い
もう一点、短所というよりかは催眠シチュの傾向の話になりますが、本作品は強力な催眠効果が多いため、じっくりと催眠をかけていくような作品ではありません。
抵抗こそしますが、直接性行為をする、絶対に守りたいことレベルのときに軽く拒絶反応が出るぐらいです。催眠がかかり切る前に抵抗するというよりかは、催眠の隙を狙って問題を解決していくようなことが多くなります。
ゆえに、催眠にかかりかけのところを抵抗したい、催眠の過程でセクハラ的なエッチも交えてほしいようなユーザーよりかは、催眠の支配下に堕ちて好き勝手されてしまう、主導されてしまうようなシチュエーション、堕ちきった後のシーンに特化している催眠シチュの作品となります。
とはいえ、シチュエーション自体は非常によくできているので、催眠シチュエーションによほどこだわりがなければ気にしなくていいレベルです。
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」の各視点からの評価
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」をゲーム性・エッチ面・コスパの3視点から、6段階(SS/S/A/B/C/D)で評価していきます。
ゲーム性
シナリオや世界観を楽しむという作品であれば、まず完成度の高い作品だと思います。
探索パートでは程よい広さのエリアで重要なイベントにはマーキングがあり、ストレスなく進めます。重要な台詞以外のモブキャラたちの会話も頻繁に変わり、話しかけていっても楽しい。
ストーリーもしっかりと波があり、時にはピンチになりながらも解決できる本編的なストーリー、バッドエンドに入ればしっかりと堕ちきるところまでも描く。終盤は特殊な技法も活用しながらエンディングへと向かうような仕掛けもあります。
さらに、図鑑や小ネタも豊富。セーブも分岐時にはできるような配慮も行き届いています。戦闘も演出の一つとして入っているような面もあります。ヒロインたちの仲良し感や、それゆえの苦悩等もしっかりと描かれている印象です。
成長や戦闘の戦略性などはありませんが、そういう系統の作品ではないということをしっかりと踏まえれば、名作と言ってもいいレベルの完成度に感じます。純粋にエロやストーリー、世界観を楽しむような丁寧な作りの作品として、一般の作品と比較して明らかに一線を超えている考えます。
エッチ面
シーンまでのエロを期待させる運び方、バッドエンドシーンの画像がないモブを含めた反応、各シーンの長さ、催眠シチュエーションの多方面感。全体として非の打ち所がないと感じます。
シーンや展開自体も「まさに催眠の色々なシチュエーションを揃えた」というオールスター感、シナリオも催眠にかかっていることが前提で進むため、エロに繋がるのかワクワクしながら進めていくことができるような作品です。
シーンの直前から回想を楽しむこともできるため、シーン特化好きの方でも雰囲気を味わいながら楽しむこともできますし、純粋にストーリー運びもよくできているので、読みながら遊びやすい印象も受けます。催眠系のシチュエーションにどうしても抵抗があるという人以外であれば、エロ面でも満足できる作品だと自信を持って押せる作品です。
コストパフォーマンス
管理人のプレイ時間的にはクリア時間が4時間ほど。本編のプレイ時間的には中規模でまずまずのコストパフォーマンスという感じですが、バッドエンドの分岐の多さを始め、細かい演出への丁寧さも考えれば非常に手をかけて作っているという感じがします。
シナリオや世界観を非常に重視している作品であり、催眠という設定上この要素が重要になるかと思っています。そういった点で、シナリオや世界観をもり立てる細かい点まで力を入れているという点は重要だと考えます。台詞の差分の多さや展開の自然さ、設定資料などもあるからこそ世界観に浸れ、よりキャラクターの魅力やエッチシーンのエロさにも繋がることから、見落とされがちなところまでしっかりと作り込んでいるからこそ、短い時間だけど満足度の高い作品に仕上げてくれているのだと感じます。
ゆえに、とにかくボリュームを求める人にとっては標準的なレベルかと思いますが、質の良さへのコスパを求めるのであれば非常に良い作品に思えます。
丁寧さの一例ですが、個人的に催眠にかかっている村人の歩行グラフィックにちょっとした演出を仕掛けているようなところとかは、なんて丁寧な作品なんだと感じました。こういったところまで、丁寧に作り上げている点は職人技のようにみえます。
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」の個人評価
10点
一言で遊んで良かったと思えた作品です。催眠というテーマをしっかりとメインストーリーにも結びつけ、次はどんな展開になるのか、この催眠の内容であればどちらの選択肢を選んでいくべきなのか。ワクワクしながら進められつつ、ちょっとした合間のモブ会話なども変化が多くて楽しい。ストーリーでは劣勢なシーンも入れ込みつつ、どう抵抗していくのか。催眠特有の特殊なシチュもしっかりと入れ込み、まさに「催眠に抵抗して戦う」ような姿が始終楽しめる作品でした。
購入前の機体を大きく越え、事細かな展開変化の丁寧さ、魅力的なキャラやエッチシーン。今までやってきた作品と比較しても、中編の規模でやれることをすべて詰め込んでいるような印象もありました。まさにシチュエーション特化作品でありつつも、こだわり抜いている作品という印象があり、個人的には気になっているのであれば絶対に手に取るべき作品だと自負しています。
以上の理由から、完成度は非常に高く、ぜひ遊んでみて欲しい作品と感じたため、当サイトでは2年ぶりの最高ランク評価とさせていただきました。シチュエーション特化なシーンはもちろんのこと、シナリオやモブ会話、アイテムまでぜひ見てみてほしい作品に思えます。
「操心の魔導具 ~強く美しき冒険者の末路~」のゲーム情報
制作ソフト:
RPGツクールMZ
原作:
オリジナル
難易度傾向:
ちょいかんたん!
ボイスの有無:
ボイスなし
やり込みシステム:
- マルチエンディング
- アイテム収集
- エッチシーン回収