今回取り上げていくのは10年以上に渡り、多彩なエロRPGを公開されている同人サークル・ぽいずんさんの作品としてDLsiteさんで一番昔に登録されている「person of courage」です。
作品名 | person of courage | ||
作者様(敬称略) | ぽいずん | ||
総合評価(10点満点) | 7点 | ゲーム性評価 | B |
エッチシーン評価 | C | コスパ評価 | C |
標準価格 | 1,100円 (*2025年8月6日時点の価格ですので必ず最新情報をご確認下さい) |
DLsiteでの販売は2011年5月と、10年以上昔の作品。制作ツールもRPGツクールVXとあまり最近では見られないツクールシリーズで作られた作品。逆に今やったらどうなのだろうと思い、積みゲームとなっていた本作品を手に取ってみました。
良くも悪くも昔のツクール製作品という印象で、大味な側面や気をつけないと遊びにくさに繋がるようなポイントこそあれど、レベル上げや対ボス戦の準備や立ち回りをする作品としては手応えあるRPG感を楽しんでいくことができる陵辱エロ中心の作品という印象でした。
紹介ページには「絶妙なバランス」とありますが、個人的にゲームバランスはやや尖っていると感じます。ですが、それゆえに古き良き遊びごたえなどを感じる長所もしっかりとあるため、短所になりうる箇所も紹介していくことでイメージと合う作品かどうか参考になるようレビューでまとめていきたいと思います。
「person of courage」のシステム
今作は魔王として討伐され、魔王の力を封印されてしまった主人公が「復讐」という名目で旅をしている合間に、「魔王が討伐されたのに魔物の凶暴化が止まらない」という問題に触れていくことになる姿を描いたエロRPGです。特徴的な要素を紹介していきます。
RPGツクールVX従来の王道的なターン制JRPG
「person of courage」はRPGツクールVXで作成されたランダムエンカウント搭載・ターン制のエロRPG作品です。フィールドやダンジョンを歩いていると突然敵が現れ、最大4人パーティで戦闘。各ターン味方全員が行動を選択すると、素早さ的な数値で決まった行動で敵味方が攻撃行動を取るようなツクール従来の戦闘方法を採用しています。

ところどころではボスとのバトルも行われます
また、フィールドマップを歩いて街やダンジョンに入り、街では準備、ダンジョンでは街で起きた問題を解決していったりすることになります。まさに昔ながらの王道的なJRPG要素の作品となっています。

ベースはツクールの戦闘ですが、不意打ち時は画面反転するなど丁寧な印象のある箇所もあります
最大4人の仲間! 期間限定の仲間や仲間離脱のパートも登場
味方パーティは最初、主人公一人です。物語を進めていくうちにメインヒロインたちが一人ずつ加入していき、最終的に4人固定パーティになります。
特徴的な点は「期間限定の仲間」と「仲間離脱のパート」があることです。一部のエリアでは、主人公に協力してくれるような男女がおり、一時的に味方パーティとしてゲスト的な仲間に加わります。ゲストの仲間は装備変更はできないものの、行動コマンド自体は選択も可能。仲間になるキャラは色々おり、主にそのパートで味方陣営に不足しているようなキャラクターが仲間に加わることが多いのである程度の戦力になってくれます。
また、中盤には固定パーティ全員が仲間になりますが、一部エリアでは「仲間が離脱」してしまうようなこともあります。うまく戦力を維持したりする必要があります。
物々交換やサブクエスト、強いダンジョンもあり
基本的には新しいエリアに行くと問題が起きるのでその問題対処で新しいエリアやダンジョンに向かい、どんどんと先の街に進んでいくような作品です。
ですが、メインクエストとは別に、特定のモブキャラに話しかけてメダルを交換していくような要素、攻略せずに進めるダンジョン攻略や届け物を行うサブクエスト、後半には強敵が待ち構えつつも強力な装備が手に入るダンジョンも用意されています。
サブクエストはそこまで数は多くありませんが、全く関係のないモブキャラの会話もしっかりと作られている印象もあるので、街でモブキャラに話しかけて情報を覚えておくような楽しみもある作品です。
「person of courage」の長所と短所に感じたところ
古き良きゲーム面が個人的には面白かった作品ですが、それゆえに最近の作品と比較すると遊びにくいポイントや、下手すると積みになってしまうようなポイントもある作品です。バランス面は少し特徴もあるような印象もあるので、全体的に感じた長所・短所を詳しく取り上げていきます。
雑魚は効率、ボスはしっかり考えて戦う手応えあるJRPG
まず面白かった点は、ボスはしっかりと考えて戦う必要がありつつも、雑魚敵は逃げやすく、2~3ターンぐらいで討伐できるという少し手応えのあるゲームバランスが特徴的だった点です。
全体を通じても、雑魚敵は1匹倒すのに1~2ターンぐらい。雑魚敵は最大3体ほど出てくるので、1ターン~3ターンぐらいで処理することが可能。攻撃力の高い仲間、低い仲間がいますし、中盤以降は比較的強い攻撃スキルや、全体攻撃のスキルなども充実してくるので、いかに雑魚敵を効率的に倒していくかというような楽しみも出ます。個人的には全体攻撃を覚えてからが楽しく、終盤は1ターンでどう処理していくかというのが楽しくも思いました。

マップは広めですが、逃げやすく雑魚戦闘はそこまで時間かからない印象です
一方で、ボス戦は手応えがあり、しっかりと回復などをしながた立ち回る必要があります。終盤以外はサクサク進めて倒せない場合も、レベル上げをすれば太刀打ちに繋がるような強力なスキルを覚えるような形になっている印象があります。まずは試しに挑んで、ダメだったら雑魚敵を効率的に倒して新しい技取得やある程度能力が上がったら再戦してみる。中盤は、敵によってデバフや状態異常、属性耐性を上げることも考えることで楽な立ち回りができることもあります。
セーブ別けプレイ推奨! お店等で戦力増強帰還できないポイントがいくつかある
アイテムや属性耐性の装備で対策ができるという点は面白いのですが、「街に帰還できない」ダンジョンがいくつかあったのが非常にもったいなく感じました。
いわゆる「この先に行ったら、ダンジョンクリアまで戻れない」エリアがいくつかあります。これらのポイントでは、回復ポイントこそボス戦の前にありますが、ボスを討伐しなければ戻れず、活動中にはお店などはないので、装備や回復アイテムの調達ができません。ボスのエリアまで距離やフラグ等もあるので、せっかく時間をかけて進めて倒せなかったときに取れる手がレベル上げ作業しかありません。
この「戻れないダンジョン」は敵がいきなり強くなるポイントで戦力ダウンも伴うポイントであるという点も非常に気になりました。
特に自分は「エストレア王国」がこの短所を強く感じました。このダンジョンのボスからそれまでのボスが使っていたスキルよりも上の全体攻撃を使用するので、今までは全体攻撃を受けても余裕があったのに、一気にHPを半分近く持っていかれてしまう状態でした。作品の意図的には装備を用意しておくか、自分が到達できるレベルより3レベルぐらい上で来ることが前提になっていたものだと思われますが、わざわざ戻れないポイントでスキルを使うような構成にしなくてもいいと思いましたし、他のエリアでも突然戦力ダウンなどもしていたので、人によってはストレスが大きくなって継続を断念するようなポイントになっていそうな気がしました。

セーブは4枠あるので、新しい街についたらセーブ、ダンジョン前、ダンジョン探索、自由枠でうまくセーブ枠を変えると遊びやすいです
次の目的が再確認できないなど誘導路線が弱め
もう一点、賛否が分かれる内容としては「何をすればいいか」が再確認できない点です。
各地に行くと、「この方向でやりましょう」というイベントが出ますし、街などで問題が起きていると「次はここにいけ」というような情報は会話でしっかりと出してくれます。ただ、この「次の目的」が確認できるすべがないんですよね。

何をするべきを書いてはくれますが再確認できないことが多いので注意
例えば、王国の秘密のルートを進むような場面。ある条件を満たすことでそのルートに進むダンジョンへ挑むことができるようになるのですが、ダンジョンの大体の位置が会話で出たあとは確認の術がなく、かつダンジョンに到達できる場所がフィールドマップに現れるのかと言えばそういう理由でもありません。他にも先に仲間を加えずに先のダンジョンに挑むと、かなりダンジョンを進んだところで倒せない級の敵が出てきて戻し作業が大変だったりするポイントもあったりします。
この辺は、10年ぐらい前のツクール製RPGらしいと言えばらしい印象もあります。幸い、攻略情報などはネットにある作品ですので、クリアできないということはないかと思いますが、しっかりと物語の一言一句を確認しながら進むことがおすすめです。個人的には「懐かしい感じのツクールRPGだなぁ」と思いつつ楽しめましたが、この不便さは人によってマイナスに繋がるような要素も強いと考えます。
「こだわりのバランス調整」について
おまけ的な視点で、「こだわりのバランス調整」についても触れておきます。
本作、公開ページには『通常ストーリーを進めていれば、クリアに必要なLvやお金は最低限揃うよう絶妙なバランスになっています。』と記載されています。一方で個人的なプレイでは「ところどころでレベル上げ」や「中盤はバッドステータスも活用」「終盤はアイテム使った総力戦」と、結構手応えがありこの方針とちょっと違うような印象もあります。

管理人のクリアデータ。ラスボス全体攻撃でHP半分以上もっていかれるのでLv38ぐらいは必須感あります
で、これなぜかと考えてみたのですが、この作品で言う「通常ストーリーを進めれば」というのは、「迷ったり道中に出てきた敵をすべて殲滅したら」というような印象がありました。個人的なプレイでは、基本は戦いつつも、先に行けるようなフラグが経ったときに逃亡したり、どうしても長いダンジョンでエンカウントが面倒くさいと思ったら逃げたりして、全体として2割ぐらい逃走も使っていました。また、サブクエストなども見つかったものだけ遊ぶような形にしていましたが、忘れた頃にダンジョン見つけて、あの会話サブクエストだったのか……と思いつつ攻略することもありました。
これらを考えると、サブクエストとかもこなしつつ、雑魚敵は基本倒すという行動を取っていれば、ところどころの強力なスキルを前倒しで取得できていた可能性もあるし、属性耐性装備や回復アイテムも余分に買えるお金が貯まってたかなぁと言うような印象があります。ですので、こちらはRPGをしっかり遊ぶ方という前提での「こだわりのバランス調整」なのかなと思います。
個人的にはレトロゲームのRPGなども好きなので、このバランス方針は理解できますが、戦闘がゆるいエロRPGなどを遊びまくっている場合は「レベル上げはある」ぐらいで考えたほうがイメージに近いのではないかと感じます。
「person of courage」の各視点からの評価
「person of courage」をゲーム性・エッチ面・コスパの3視点から、6段階(SS/S/A/B/C/D)で評価していきます。
「person of courage」のゲーム性
これぞツクールVXのエロRPGという、少しレトロよりなエロRPG感がある、しっかりとRPGを遊んでいくような作品という印象でした。不便なところはありますが、しっかりと文面を追いかければ多少どこだっけ……となっても目的地を発見できることも多いですし、ストーリーも少しご都合主義な印象もありますが、大筋の描きたい物語は伝わってきます。その中で起承転結の意識も感じられますし、サブクエストなど遊ばせたい気持ちも伝わってきます。レベル上げが発生することもあるバランスな印象でしたが、作業自体は効率を考えられるような雑魚バランスにもなっています。良くも悪くも大味な側面のある作品でしたが、VX時代のツクールのクリエイター作品らしいなぁという懐かしき次作ゲーム感も味わえる気がします。
万人受けではないと思いますが、SFCとかのレベル上げもあるような作品として考えれば、個人的には10年以上経過した2025年に遊んでもゲーム性は標準クラスで楽しめる作品であると考えます。
「person of courage」のエッチ面
一部ストーリー中にヒロインやゲストで仲間になる女性キャラに陵辱シーンを基軸としたエッチシーンがあります。エッチシーンの数は回想ベースで23シーン。陵辱始めと同じ陵辱で時間経過のシーンもあるので、ちょっと体感シーン数的な頭数としては少なく感じますが、道中良い間隔でエッチシーンが展開されていくのは王道的なRPGという点では良い印象を受けました。サブヒロインはボイス無しですが、メインヒロインのエッチシーンはボイスがあり、演者さんの演技も良い作品に思えます。
エッチシーンテキストは会話ベースで少しボリュームも少ない点もあり、どうしても2020年以降の作品と比較すると総合的は標準に一歩及ばない評価とさせていただきました。
「person of courage」のコストパフォーマンス
ゲームの規模としては10時間以下の中編クラスとしてボリュームもあります。やや今どきな仕様とは違いますが、しっかり昔懐かしい感じの作品としてプレイすれば遊べるような印象もあるので、ここさえ意識して購入するのであればゲーム性のコスパは悪くないと考えます。一方でエッチシーンは最近の作品と比較すると少しコスパが悪め、ボイスなども入っており、価格も1100円とそこまで高い作品ではないので悩みましたが……。
どうしてもツッコミ入れたくなるような演出や展開もあって、大味感のあるような気もしたのでこちらも標準に一歩届かないようなコスパの作品といたしました。
「person of courage」の個人評価
7点
昔のツクール製ゲームってこんな感じだったよね!と感じられるぐらい、やや大味で遊びにくいところもありますが、なんだかんだ手応えあるRPGとしてはしっかりと遊べるし、気をつけることだけ気をつけて進めれば、ストーリーも伝わってくるし。細かい粗やツッコミもありますが、やりたい事自体はしっかりと詰め込まれている……そんな印象で懐かしさも感じられるような作品の印象でした。エッチシーンは気持ち短めですが、物語の進行とともに適度な感じで出てくるのは良かったですし、ボイスの演技も良い。ゲームバランスも気をつけなければいけないところもありますが、レベル上げや戻し作業さえすればどうにかなるので理不尽さはありません。そういった点では、決して悪い作品ではないですし、一昔前のゲーム機で一昔前のRPGを楽しむような感覚で遊べばしっかりと遊べるような内容にまとまっているような印象もあるエロRPGです。
以上の理由から、当サイトでは10年以上経過したことを踏まえても、標準クラスの楽しみはある作品という評価とさせていただきました。
こちらのサークルさんは長い期間かけて、良作も公開し続けていらっしゃるという歴史もあるので、実力メーカーさんが作られたダイヤの原石の作品として、磨かれた最近の作品と、センスあるところもあってダイヤの原石だった過去作エロRPGとして買って比較するのも面白いのかなと思います。
「person of courage」のゲーム情報
制作ソフト:
RPGツクールVX
原作:
オリジナル
難易度傾向:
ちょいムズ!
ボイスの有無:
女性キャラ一部ボイスあり
やり込みシステム:
- マルチエンディング
- アイテム収集
- 仲間育成
- エッチシーン回収
「person of courage」のDLリンク
■ FANZA同人
「person of courage」が好きな方にオススメなエロRPG 3選
「person of courage」の陵辱メインな作品として楽しめる作品としては、「CRYSTAL FANTASY ~導かれし勇者たち~」が良いのではないかと思います。
二次創作系の作品ですが、一本道寄りの作品でところどころ協力者がパーティメンバーに入ったり、サポート的な立ち位置のキャラとして協力してくれます。エッチシーンは陵辱メインで、多彩なタイプの女性が犯されていくようなシーンを楽しめるため、共通感のあるような方向性が楽しめるのではないかと感じます。
手応えのあるRPG感と、主人公を基軸に女性パーティたちと冒険していくようなRPG要素をより楽しみたいのであれば、「Spiral Legend」も注目かと思います。
絵のないエロRPGというかなり尖った特徴の作品ですが、鍛冶屋の主人公が起きていく問題を解決しつつ、最終的には女性パーティの仲間たちと冒険していく王道感が楽しめます。ゲームのボリュームが凄まじく、手応えあるような戦闘は特徴的。合成などの機能もあり、ツクールらしい戦闘を楽しみつつ、長い時間をかけて主人公が活躍するようなRPGとして楽しめる名作です。
最後に、王道的なRPGの雰囲気を楽しめるような作品を楽しめるRPG要素の強い作品として「はじまりの冒険者」もあげておきます。
こちらもツクール製のRPGとなっており、女性キャラクターと一緒に冒険をしながら、新大陸の謎を知るにつれて徐々に問題に巻き込まれていくような作品。レベル上げなどもしながら、オーソドックスなRPGを楽しむことができ、かつこちらは純愛よりな方向性の作品となっているので、誰でも遊びやすいような方向性の作品になっています。「person of courage」のゲームバランス感や、そこまで複雑すぎないけど物語感は伝わってくるような作品を遊べる作品としてよいのではないかと考えます。
当サイトはAIによる記事生成や他レビューのリライトではなく、「person of courage」を実際に購入してプレイしております。
本紹介は2019年3月8日に更新されたバージョンを初回クリアした内容をベースにまとめています。また、過去に価格改定があった作品ですが、1年以上価格変動しておりませんのでレビュー時の価格「税込み1100円」を前提にレビューしております。他情報と合わせて参考にして頂ければ幸いです。