手応えある戦闘はしたいけど、過度すぎるレベル上げの要素や、長編すぎるストーリーは嫌だ！という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回紹介していくのは、そんなゲーム性は求めるけど、2～3日でクリアできる規模にまとめつつ、美少女三人の和やかさと、王道らしい展開……特に、先代の強者達のかっこよさがあるストーリーも楽しめる作品。
桃太郎の娘が主人公という、和風さもありつつもオリジナルなストーリーを描いている「モモカの大冒険」の紹介になります。
かつて強力な敵を封印した父・桃太郎が帰ってこないことから、その娘・モモカが旅に出たことから、かつて父たちが封印した敵を復活させようとしている強敵・四天王たちとの戦いに巻き込まれていく物語が楽しめます。
管理人のクリア時間は4時間ほど、アイテムやスキルをフル活用するような全力の立ち回りもしたため、レベル上げなどをじっくりとすればもう1～2時間程度は経過する可能性もあるのかなぁという難易度。
最終的なレベルはこんな感じ、最大三人パーティのRPGでしたが、万能型・物理アタッカー・術者タイプとバランスの取れた構成。やや力押しが有利なゲームだったので、都度都度有力なキャラが変わっているような楽しみがありました。例えば主人公は、序盤からあまり強くないなぁと思っていましたが、終盤はアタッカーとして前線で活躍したり、術者タイプの浦島娘は序盤と終盤は術アタッカーになりつつ、ボスでは回復役。でも回復アイテムもあるし、力押しの場合は別のキャラでヒーラーをさせてアタッカーをさせて……などなど、キャラをどう使い分けて戦っていくのか考えていくのも楽しい作品です。
全体的には良い作品ですが、繊細まで自然な感じで煮詰めたというよりかは、しっかりと王道的な展開を詰め込み、中編規模ながらも熱い展開らしいRPGが楽しめたような印象が強い作品でした。良かった面に加え、少し気になった点も添えながら個人的な感想を紹介します。
「モモカの大冒険」のシステム
モモカの大冒険はRPGツクールVXで制作されたRPG作品です。ツクールVX製のゲームですが、画面を大きくするような仕組みが採用されており、標準のツクールVX作品よりかは大きい画面で楽しめるようになっています。
英雄たちの娘が活動する、王道系のRPG
「モモカの大冒険」は桃太郎・金太郎・浦島太郎の娘たちが冒険を行う王道系のRPG作品。やや低めなランダムエンカウントとツクール標準よりなターン制RPGが採用されており、キャラクターを操作しながら父探しの過程で起きていく問題の解決に望みます。
一般的なツクールのRPG作品ですが、「高速戦闘機能あり」「全滅しても復活あり」「自動戦闘ボタンあり」など、よくツクール製で問題になっている点への対処はしっかりとされている印象です。「目的地を再確認できる機能」や「作者様によるヒント系の情報多数」など、しっかりと遊びやすさを改善している姿勢も感じられます。
また、一部シーンではイベント絵のような感じのイラストが表示されたり、見せ場では立ち絵を使ったカットイン的な描写もあります。ストーリーも中編規模ながら、未熟なヒロインたちの成長感、父親たち英雄たちの行動、そして敵の非道な姿や変化などもしっかりと詰め込んでいます。
エッチシーンに簡易アニメ、一部シーンにボイスあり
エッチシーンには簡易アニメも付属、ヒロインが主人公のシーンにはボイスもついています。
いずれもハイクオリティ過ぎる作品と比較はできませんが、積極的に導入しようとしているような努力を感じます。エッチシーンテキストは会話中心でやや短め～中規模ぐらいの長さです。シーンは敗北による凌辱もあれば、和姦のようなものや、放尿シーンのようなシーンもあります。
「モモカの大冒険」の長所と短所に感じたところ
「モモカの大冒険」の魅力的に感じたところや、購入前に抱いたイメージと違った点を紹介していきます。
先代の英雄たちも交えた濃厚なストーリー
プレイ時間的には中編規模の作品となっていますが、しっかりとストーリーを展開しているようなイメージがあります。
特に注目なのが先代の英雄も巻き込んでいるようなストーリーです。主人公たちは英雄の娘達という設定。敵は英雄……父親たちと戦ったことがある敵ばかりで、時には親を敵視しているキャラクターもいます。最初の頃は親自身や親に関係するキャラクターたちが未熟な娘たちを助け、次第に娘たちが懸命に立ち向かい、親たちの秘密や学びを活かしながら活躍。親たちもサポートを最後までしてくれるような感じがあります。
かっこいい大人たちも感じていけるようなストーリーの作品に仕上がっています。
ストーリーは良いがやや緩めのストーリー構成
ストーリーの魅力がある作品ですが、丁寧にやり取りを細かく描き、リアリティなところまで煮詰めているような形式の作品ではありません。熱い展開は描きつつも、文章自体はそこまで本格派ではなく、細かいところまで煮詰めきれている作品が好きな人にとってはややライトな印象に見えてしまうかもしれません。反面、ゲームご都合主義的なところやゆるい雰囲気も出ているので、ここは評価が分かれそうな気もします。
熱い展開はありつつも、テキストの言い回しは全体的に緩めで、ところどころに息抜きなイベントも登場します。ゆえに遊びやすいというような雰囲気も出していますが、正統派な作品ではチルタイムやゆるいパートは不要な方、和風であれば硬派な文章描写がほしいという方向けの作品ではないので注意しましょう。
遊びやすい雰囲気重視な文調の作品だとい感じます。
「モモカの大冒険」の各視点からの評価
モモカの大冒険」をゲーム性・エッチ面・コスパの3視点から、6段階(SS/S/A/B/C/D)で評価していきます。
「モモカの大冒険」のゲーム性
中編規模にまとまったストーリーは魅力的に感じました。
最初は父親を探すというオーソドックスなストーリーで始まる中、怪しいポイントをチラ見させるようなところから始まり、序盤は英雄たちの娘が少しずつ出会っていくような物語。次第にシリアスな要素とかも入れつつ、しっかりと熱いような展開も用意されています。
一方で、女の子三人の仲良しな雰囲気もあります。演出などでストーリーを盛り上げるような印象も受けます。
繊細までじっくりと作り上げている作品ではありませんが、もともとレトロ系のRPGをイメージして制作されているような印象があり、熱い展開を緩く楽しめるというような展開もあると感じます。戦闘の戦略面は技が少ないため弱めですが、ある程度レベルを上げていくこと前提としたレトロ風の作品であれば悪くないような印象もあります。
やや評価に迷いましたが、ストーリー面のコンパクトながらもしっかりと描いている魅力はこの作品ならではな印象なので、長所の良さから高め評価のAとしました。
「モモカの大冒険」のエッチ面
エッチシーン目的で購入するとやや難しめですが、ストーリーの合間に良いバランスで組み込んでいる点は高評価な印象を受けます。価格がやや高めの作品ですので、アニメーションやボイスなどは価格比率で他作品と比較すると少し物足りなさはあると思います。
ですが、シナリオに程よくシーンを入れているような印象もありますし、色々とやろうとしている努力は伝わってきます。会話中心でシーンのテキストもほどほどにあります。エッチ特化の作品と比較してしまうと、もう少し評価を下げてもよいかと迷いましたが、懸命さは伝わってくるような印象もあったため、標準の評価とさせていただきました。
「モモカの大冒険」のコストパフォーマンス
やや定価が高めな作品ですが、レトロな雰囲気のゲーム性とストーリーが好きであればしっかりと楽しめるようなコストパフォーマンスがあると感じます。価格帯から考えると、エッチシーンのクオリティや数は多いとはなかなか言いにくいような気もしますが、アニメーションやボイスへの挑戦、シナリオを通じて魅力を感じられるキャラクターたちによってフォローもされているような印象があります。
ゲームとしては長いわけではないけどしっかりとストーリーや戦闘は楽しめる作品と考えれば標準並み。エッチシーンも重視したいのであれば、半額ぐらいのセールタイミングで検討するとコスパよく感じると思います。
「モモカの大冒険」の個人評価
8点
レベル上げや攻撃と回復をベースにした戦闘の楽しみがあるレトロな方向性の楽しみに、複雑すぎない規模でしっかりと熱い展開を収めているような作品。特に先代の英雄たちを交えていく展開が好きであれば、時には緩く、時にはかっこよく。そして最後には頼りなかった主人公たちが頼りになるような雰囲気を固くしすぎずに描き切り、いい感じに5時間ぐらいな規模でまとめてくれている印象です。
エッチシーンについては、高品質過ぎる作品として比較してしまうと弱く感じる点もありますが、ボイスやアニメーションに挑戦していたりと前向きな姿勢も感じます。エッチシーンの感覚や、イラスト面でのちょっとした演出など、できる範囲で色々なことに挑戦されている姿勢も感じられます。
当サイトでは戦闘とストーリーが楽しめる作品としての長所さが印象に残ったため、好評かな8点取させていただきました。複雑すぎないけど、昔のゲームのような熱い展開は楽しみたいというプレイヤーにおすすめです。
「モモカの大冒険」のゲーム情報
制作ソフト：
RPGツクールVX
原作：
オリジナル
難易度傾向：
ちょいムズ！
ボイスの有無：
女性キャラ一部ボイスあり
やり込みシステム：
- 仲間育成
- 裏ボス
- エッチシーン回収
「モモカの大冒険」のDLリンク
■ DLsite
